高田崇史「QED 〜ventus〜 鎌倉の闇」

QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)

QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)

闇と空白が真実を象(かたど)り、鎌倉、源氏三代にまつわる謎を解き明かす!旅する「QED」、堂々第8弾!!

「“神”は三種類に分類される……まず第一が、大自然。次は祖霊(それい)。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んで亡くなっていった人々」。銭洗弁天鶴岡八幡宮、御霊(ごりょう)神社……鎌倉をそぞろ歩く奈々、沙織の棚旗姉妹に、桑原崇が説く「鎌倉=屍倉(かばねくら)」の真実! 源三代にまつわる謎の答えが、闇の中に白く浮かび立つ!!

QEDシリーズ第八弾にして初めて「ventus」というミドルネーム(?)が付いた本作。ventusとは何ぞよ?と思って読むと、「歴史というのは風(ventusのようだ)」との一節が。ふーん。
殺人事件と崇くんの薀蓄が全く関係なく(事件の解決さえもしない)というのが、ventusシリーズということなのでしょうか。そう割り切って読んでしまえば(←ここ重要)、観光名所である鎌倉の歴史に触れられて興味深く読めた作品。
前作に引き続き本作にも、今年の大河ドラマ義経」に関する記述が(ちらりと)出てきて、高田氏は大河ドラマを狙っているのだろうか?と思ってしまいました(どうやら偶然のようですが)。