高田崇史「QED 鬼の城伝説」

QED 鬼の城伝説 (講談社ノベルス)

QED 鬼の城伝説 (講談社ノベルス)

桃太郎に虐げられし、鬼たちの慟哭(どうこく)が聞こえる!「QED」シリーズ第9弾!!

岡山・吉備津神社に今も伝わる、占ト(せんぼく)「鳴釜神事(なるかましんじ)」。大和朝廷によって退治され、土中深く埋められた鬼神温羅(うら)の首が、釜を唸(うな)らせて人の吉凶を告げるという。一方、これとは逆に、総社(そうじゃ)市の外れ、鬼野辺(きのべ)家に先祖代々伝わる大きな釜には、鳴ると凶主(あるじ)が死ぬという言い伝えがあった。そして……、不吉の釜が鳴り、土蔵に長男・健爾(けんじ)の生首が!?旅の途中、事件に遭遇した崇(タタル)は、事件の核心“桃太郎伝説”の騙(かた)りを衝く!

どうやら自分には、崇くんが語る薀蓄だからこそ読もう!というDNAが出来てしまっているようです(笑)。本作では崇くんの登場がページの半分を過ぎてからで前半の表面的な説明は地元の女性たちが。目新しさを演出したかったのかもしれないけれど、薀蓄は崇くんがしてくれなきゃ、読もうという意欲が半減してしまうよ……。特に、後半から登場させる必然性もなかったし。
ということであんまり楽しく読めなかった本作。でも、崇くんの口から「結婚」という文字が出てきただけ読んだ甲斐があるというもの(奈々ちゃんと、という意識がないようなのがイヤンですが)。早く崇くんが奈々ちゃんに甘える姿を見たいですわー(下世話)。