ジェフ・アボット「図書館の親子」

図書館の親子 (ミステリアス・プレス文庫)

図書館の親子 (ミステリアス・プレス文庫)

突然姿を消したまま行方知れずになっていた姉の夫が帰ってきた。図書館の館長ジョーダンは驚くと同時に、ひどい仕打ちをした義兄への怒りを新たにするが、さらに衝撃的な事件が起きた。昔なじみの新聞記者が何者かに殺されたのだ。翌日、今度は義兄が殺され、ついには友人の警察署長までもが…。不可解な謎に親子の情愛を絡めて描く人気シリーズ第三弾。

「図書館シリーズ」と認識するよりは、「ジョーダン・ポティートシリーズ」と認識しよう(自分に言い聞かせ)。シリーズ第三作目の今作は図書館のシーンがほとんどなかったから(笑)。
第一作目の感想*1に、「シリーズ一作目なのにこーんなに話を展開させて次からはどーすんだ?」と感想を書いたけれど、一作目は図書館を中心とした現時点の地元の人間関係。二作目は主人公の東部在住時代の元彼女をキーパーソンにして、新たにやってきた開発業者が地元住民を巻き込んだ騒動。今作は、幼馴染を中心とした人間関係。一作一作登場人物が多い(と思われ)ので、読むほうは人間関係を次々と頭に入れながら読むのは大変(イヤ、自分、人の名前覚えるの苦手ですから……。しかも日本人以外になればなおさらのこと……)だけれど、自分に置き換えてみれば、この位の人間関係はアリだよなー。ま、この3作が主人公が故郷に帰ってきてから1年以内に、小さい田舎町のコミュニティーでこんなにも殺人事件が起こるのは有り得ないわ……と思うけれども(それを言ってはオシマイです)。
今回の殺人事件の裏には、わたくしとしては「えー、それってアリ……?(アメリカならアリかー)」という設定があったけれど、その不満点を読後に引きずらないシリーズ三作目だからこそできる厚い人物・背景設定で読み応えがありました。
この調子で次作を読み始めたところ、今までよりも重いタッチだったので、中断中(しかしそれよりももっと重いもの*2を読んでいては、中断した意味がないのでは?)。