米澤穂信「犬はどこだ」

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

犬捜し専門の仕事を始めたはずなのに、依頼は失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、ふたつはなぜか微妙にクロスして-。いったいこの事件の全体像は? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵・紺屋、最初の事件。

若い人が書く文章は勢いがあるなー。流行の若者作家さんは、読むのがちょっと苦手……と敬遠していたのだけれど、この作家さんは読ませる勢いはあるけれど、無理に乱暴な言葉や状況を書いていないので、抵抗感なくサクサクっと読めた。
謎解き部分は物足りなさを感じないでもないけれど、ラスト部分は反則技を使わずに、そうきたか!と思えたし、一人の人間が新たな一歩を踏み出したという読後感も爽やかで、なかなか楽しめた作品でした。